バカなんじゃない!覚え方が悪い!
社会科は筆者も苦手でした。特に、歴史(日本史)は教科書を見ても流れが頭に入りませんでした。それに、入試問題を見ると、見覚えのない人物の名前があったりします。
でも、実は、頭に入らなかったのは、難しく考えていたからです。
教科書や参考書を見ているだけだと、文字だらけで頭に入ってきません。おまけに、先生はハズレだとものすごく眠い。
しかし、それはあなたが極端に歴史に向いていないからではありません。情報の入れ方に問題があるのです。
漫画から学んでOK
歴史は漫画やドラマから学んで構いません。ダメだと言う人もいますが、間違えないように気をつければ、十分勉強法として成り立ちます。
マニアックな人物に注意
問題になるのは、趣旨や主役を履き違えた場合です。
例えば、歴史を独自の視点で描いた作品、これまでスポットライトが当たってこなかった武将◯◯の生涯を描いた作品などには注意してください。
また、漫画やドラマは、学校教育や高等教育が教えたい・学ばせたい・研究させたい歴史とは必ずしも一致しません。
歴史学者でもなんでもないクリエイターが描いたものですから。
勉強を漫画から導入するのは大いに結構ですが、実際にはどうだったのかを調べることを忘れないでください。
Wikipediaには注意
Wikipediaの情報は信じない(疑う)のが鉄則です。その他の個人サイトも同様です。
誰が書いているかわからない情報ですから、信憑性がありません。
Wikipediaも情報の導入にはもってこいのサイトですが、情報の「仕上げ」には絶対に使ってはいけません。最終的な確認は教科書や参考書でしてください。
特に、マニアックな説は学者が信じていない説ですので、入試に出る可能性は低いです。
新発見は必ずしも出題されない
ちなみに、入試直前に新発見・歴史的大発見があった場合でも、出題されない可能性の方が高いです。
研究の成果を学会に認められるまでには、時間がかかります。
それを出題してしまうと、「ケーキ屋のバイトが勝手に新しいケーキを作って売った」みたいな感じになります。
インターネットには最新の情報が載っているかもしれませんが、入試には出ませんので。
学びすぎない
教科書には、受験において無駄な情報も沢山あります。特に文化・美術品などは受験にあまり出ないものもあります。
出題頻度が書いてある参考書で、擦り合わせをしましょう。
それから、出題頻度≠難易度≠配点の高さ≠正解した際の合格可能性です。
よって、珍しい・難しいからと言って配点が高くなったり、他人と差がついたりすることはありません。
そもそも、マニアックな知識だけを知っている人は、高校の地歴公民をマスターしているとはいえません。
ジャニーズJr.の新星・◯◯クンを知っていて、ジャニーズの最前線で活躍する××クンを知らなかったら意味がないですよね?
先に、最前線で活躍する頻出用語を覚えましょう。教科書の脚注に書いてあるような用語はそれからです。
出題者は歴史オタクを求めているわけではありません。
「◯◯について説明せよ」と言われたときに◯◯のマニアックな部分だけ書く人は、いい点をもらえないでしょう。
基本的な情報こそが大切です。
出題者は教科書を知らない
ちなみに、出題者はどの用語が教科書に載っているかなどを、いちいちチェックしないそうです。
「うちで勉強する学生にはこれぐらい知ってもらわないと」ぐらいの感覚で作っているのでしょう。
なので、出題者の関心が出題内容に反映されてしまっても、仕方ありません。
その中にやたら難しい問題が混ざっているのは、100点をとられたくないプライドからくるものだと思います。
地歴公民は楽しく!
地歴公民は、知識を楽しく導入できる方法が英国数よりも多いので、気楽に取り組むことができます。情報の入れ方さえきちんとすれば大丈夫です。
難しい知識を押し付けてくる悪徳教師や参考書に惑わされないように。大事なのは基礎です。
時代の流れがわからなくなったら、図を書いたり、アニメやドラマ・漫画に頼ったりしてください。
公民の知識がわからなくなったら、解説動画や記事なんてネットのそこら中に転がってると思いますから、視覚的・聴覚的に理解してください。
でも、仕上げは教科書・参考書です!それだけは忘れずに!
おまけ:地歴公民の履修について
選択科目は不可逆じゃない
取らなかった選択科目は取り返せます。
高校で政治経済をとりたくて、世界史との組み合わせができなかったので日本史選択にした筆者ですが、大学では国際関係学を専攻しました*1。
大学できちんと勉強すれば取り返せますので、「選択科目が◯◯だから、私は××学部を受けられない」という諦めは禁物です。受験科目であれば別ですが。
友人は理系学部しか内部推薦が取れないということで、理転しました。選択科目なんてちっぽけなものです。
経済には数学が必要
大学の経済学には数学が必要。これは本当です。
高校の経済では、需要と供給のグラフがあって、それを説明する程度だと思います。
しかし、大学では、グラフを使って関数の計算をします(微分積分を含む)。
数IIICレベルの数学は普通に求められてきます(若干簡略化しますが)ので、数学が苦手な人は高校のうちに苦手を克服してください。
大学に入ってからかなり厳しく仕込まれるはずです。
ただ、経済数学は証明をしませんから、普通の数学よりも楽かもしれません。
ちなみに、大学の経済学では、高校レベルの経済は無意味になりますので、最悪、政治経済は履修しなくて大丈夫です。
新聞やニュースである程度の知識をつけてください。
倫理と宗教学は違う
倫理と宗教学を同じだと思っている人はいませんか?
宗教の道に進む人はなかなかいないと思いますが、一応言っておくと、宗教学に近いのは、道徳科です。
倫理は宗教や思想について、それがどんな内容であるかを学ぶだけです。
つまり、「こんな思想があります」というのを理解すればおしまいなのです。
しかし、宗教学では、あなたがその思想についてどう思うかや、その思想がいかに有意義であるかのような意見陳述も求められてきます。
言い換えれば、思想の中の奥深くまで踏み込む必要があるわけです。