人生わりかし後悔しています。

中高生、中高一貫校の生徒、浪人生、大学生、その親などに向けたブログです。学習や受験に関すること、塾や予備校のこと、引越しや一人暮らしのことなどについて書きます。

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大学は人生の岐路 目的にしてはいけない

人生の電車旅

どこか遠い場所に行くとしましょう。目的地にたどり着くために必要なのは電車に乗ることです。でも、電車に乗るだけでは目的地にはたどり着けません。なぜなら、その場所が駅から遠かったにしろ、近かったにしろ、自分の足で歩かなければならないからです。

 

これも当然の話ですが、都内で遠い場所に行くというとき、乗り換えはつきものです。乗り換えを間違えると目的地に着くことはできませんし、全く意図しないどこかへ飛ばされてしまう可能性すらあります。人生の旅において、最大の乗り換え駅は受験です。特に、大学は高校までと違い、簡単に乗り換え(内部進学)できるということはありません。乗り換えを間違えれば、人生が思わぬ方向に向かうこともあります。このような乗り換え駅が人生の中で何回も出てきます。人生は、乗り継いで目的地を目指す電車旅なのです。

 

 

 

目的地の設定

有名大学を目的地にしてしまうと、行けなかったときの代償が大きいし、大学での目的が果たせなくなった場合のショックが大きいはずです。あなたが◯◯大生として有名スポーツ大会に出場したい、あるいはミスコンに出場したいとしましょう。そのために大学に入ったとして、例えばあなたがそのスポーツを続けられなくなったら、あるいは、大会自体が廃止になったらどうしますか? その時点で、あなたの目的は果たせなくなってしまいます。アナウンサーになるための手段としてミスコンに出場したのであれば、手段を変えればいいはずです。でも、◯◯大学のミスコン(◯◯大学じゃなきゃダメ!)に出場する目的で◯◯大学に入学したのだとすれば、他に代わりの手段はありません。


これは、目的地の設定が間違っているために起こってしまったエラーです。例えば、ネズミのキャラクターが主役のアミューズメントパークに遊びに行きたいというとき、ネズミのキャラクターが主役のところは1つしかありませんよね? もし「アミューズメントパーク」が目的地であれば、ネコが主役のアミューズメントパークだってあります。でも、最初からネズミの方に行きたいんだと強く決意している人は、ネコの方では満足できません。万が一ネズミのアミューズメントパークが臨時休園したとしましょう。せっかく友達や恋人と遊びに行く予定だったのに、これでは、目的が達成できません。


このように、目的が具体的すぎると、あなたが行きたい場所に辿り着けないときのショックが大きいのです。人生においてもそれは同じで、◯◯大学に合格できなかった場合、あるいは、◯◯大学で果たすはずだった目的が失われた場合、あなたは絶望します。こうならないためにも、目的は広く設定しましょう。

 

目的は手段のひとつだと考える

あなたが目的としているものは目的というよりも手段かもしれません。目的のための手段のひとつであると考えれば、別の手段に乗り換えることができます。もちろん、その大会に対する思い入れが尋常ではないことはわかります。ですが、なくなったものを嘆いて運転を見合わせていては、永遠に人生の目的地にたどり着けません。それどころか、××大会に停車する電車はそのまま運休になってしまうかもしれません。


でも、電車であれば、同じ路線の別の駅に行き先を変更することができます。スポーツであれば、他にも大会はあるはずですし、△△大学と対決するという夢が果たせるかもしれません。あるいは、ミスコンでなくとも、テレビ局に目をつけてもらえるような芸能活動をする手段はあるかもしれません。何らかの目的のための手段(停車駅)として、大学で果たしたいことを考えましょう。必要ないと思った駅は通過して問題ありません。その停車駅から新しい電車に乗り換えてまた出発すればいいのです。運休で人生の交通手段がなくなるよりは、断然いいと思います。

 

目的は可能性のひとつとして考える

手段としての大学が決まったら、目的も複数用意しましょう。その方があなたの人生にとって安全です。この目的の数は大学に入ってから増やしても大丈夫ですから、焦らないでください。このようなことをする目的は、目的が失われた際に対処するためです。一番怖いのは、自分が行きたいと思っていた場所が、実は行きたくない場所だったという場合です。そうなれば、あなたのした努力の一切が無駄になってしまいます。例えば、あなたのなりたかった職業があなたのイメージと違っていたら、どうしますか? 受け入れても良いならばそれで良いのですが、入りたくない業界だとわかった場合、あなたは夢を捨てきれますか?


ひとつの目的に対する意識が強すぎると、失った際にあなたはショックを受けます。目的を絶対視してはいけないのです。なりたいものランキングを設定し、上から順に、夢を叶えるため努力しましょう。もちろん、手段も複数用意してください。昨日まで野球選手だった人が大怪我をして野球を続けられなくなったとしましょう。じゃあ、すぐに野球を諦めて会社員になれるかといえば、そうではありませんよね? できる仕事は限られてきます。でも、もし何かの資格を持っていたら、別の仕事ができるかもしれません。一番の夢を目指すことは大切ですが、それだけにこだわってはいけません。人生が終わります。目的は2つ以上用意しましょう。

 

◯◯に行けば□□できる

「◯◯大学に入学できれば、☆☆社にさえ入社できれば、自分の夢は叶うんだ。」


このような考え方はよくありません。考えてみてください。サッカー日本代表で活躍して海外のクラブに引き抜かれた選手は、そのクラブで活躍できますか? もちろん活躍する選手もいるかもしれませんが、名門のクラブに入っても活躍できない人はいます。つまり、集団に所属することは必ずしも能力を証明しないというわけです。ですから、大学や会社に入っただけで満足してはいけません。これは、これまでの話に置き換えれば、手段を達成して喜んでいるような状況です。上に書いた通り、受験や就職活動は乗り換え駅ですから、乗り換えたからといって、何か目的が達成される訳ではありません。あなたはこれからも、努力を続けなければならないのです。


たしかに、大変な受験や就活が終わっても、なお気が抜けないというのは辛いです。でも、新しい環境に適応してからでないと、気は抜けないはずです。学校や会社によっては、準備用の課題が用意されていますし、事前研修で登校・来社する必要があるかもしれません。拘束から解き放たれて新しくできるようになる物事はあるかもしれませんが、油断すると夢を逃しますよ*1

 

まとめ

  • 人生は乗り継ぎの多い電車旅に喩えることができます。

 

  • 旅の目的地を具体的な場所に設定すると、目的地に到着できなくなった場合に困ります。なるべく抽象的にしましょう。

 

  • 今考えている具体的な目標(目的地)は、大きな目標を達成するための手段(停車駅)と考えましょう。それを複数用意すると、乗り換えることができるため、挫折(運休)を防ぐことができます。

 

  • 目標も複数用意しましょう。1つしかない目標が失われると、精神的にも、経済的にもショックが大きいです。複数の目的が果たせるよう準備をしておけば、第一の目的が失われても安心です。

*1:これは筆者自身の経験からくる教訓ですが、一人暮らしが必要な方は早めに物件を探してください。私の場合は、千葉県の実家から東京都の真ん中にあるICUまで、電車で通えると思っていました。しかし、実際に通ってみると、毎朝5時起きになってしまって、限界を感じました。結局、夏休み明けから一人暮らしを始めることになりました。皆さんも実家から通えるか通えないかの判断はお早めに。

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