不在者投票、使う人も不在?
衆議院選挙の期日前投票がスタートしました。同時に投票期間内に投票所に行くことが難しい人のための不在者投票も始まっています。
不在者投票は、滞在先で指定された投票所または入院している病院・介護施設などでできます。(資格のある人*1は郵便で投票できます。)
しかし、投票するまでの手続きに時間がかかり、面倒です。
不在者投票請求書を選挙人名簿に記載がある市区町村に郵送し、必要な書類を受け取り、指定の投票所で投票を行う。
そのプロセスは忙しい学生にとって大きな負担となります。
不在者投票の手順
書類をダウンロードし、印刷する
市区町村のウェブサイトから不在者投票請求書をダウンロードします。(全国共通ではありません。)
印刷は自宅にプリンタがなくても、コンビニのネットプリントで可能です。スマホからでも手軽に使えて、印刷番号を教えれば同郷の人に共有することもできます。
必要事項を記入し、封筒に入れて郵送する
必要事項は少ないものの、書類は手書きで作成する必要があります。学生の皆さんは「学業」が投票に行けない理由ですので、学業の欄に丸をつけましょう。
書いた書類は、郵送する必要があります。FAXやメールは使えないので、時間に余裕を持ってください。
最近ではネットで請求ができる自治体もあるようですが、少数です。
請求先は、選挙人名簿に名前のある市区町村の選挙管理委員会です。住所は、市区町村のウェブサイトの不在者投票のページに書いてあります。
不在者投票が可能な投票所を調べる
滞在先の役所に問い合わせ、不在者投票が可能な場所を確かめてください。
最寄りの期日前投票所が不在者投票も実施しているとは限りません。(金沢市は1箇所だけでした。)
選挙管理委員会の電話番号も市区町村のウェブサイトの不在者投票のページに書いてあります。
早めに投票する
投票用紙は郵送する必要があります。したがって、投票も早めに行わなければなりません。
前述の通り、最寄りの投票所で行えるとは限らないので、時間に余裕を持ちましょう。
不在者投票の問題点
ざっと説明しましたが、問題点はわかっていただけましたか?
- 請求から投票までに時間がかかる
- 手書きの書類を郵送する必要がある
- 書留を受け取る必要がある
一方で、選挙人名簿に登録のある方が当日に投票を行った場合は、自宅に届いた投票券を係員に渡して、投票先の名前を書くだけで、5分もかからずに終わります。
どんなに投票所が遠い人でも、家を出てから家に帰るまでは2時間もかからないのではないでしょうか?
何日もかかる不在者投票と地元で暮らす人が1日もかからずにできる直接投票。利便性の差は歴然です。
今の時代にそぐわない投票システム
最近ではネットが発達し、以下のような方法で選挙に活用されています。
- ネット討論会や演説の動画配信
- ソーシャルメディアでの議論
- 候補者と政策の方向性を一覧にした比較サイト
- 候補者のウェブサイトやソーシャルアカウントをまとめたサイト
こうした手段を通じて、以前よりも候補者のことをよく知ることができるようになりました。
一方で、投票システムは今も変わりません。
今すぐネット投票のシステムを構築しろとは言いませんが、投票用紙の請求にネットが使えないのは時代遅れではないでしょうか?
日本のこれからを担うはずの学生が、面倒くさいシステムのせいで投票したがらない。これでは、ただでさえ人数の少ない若者の民意が国政に反映されません。
政府や地方自治体には、古いやり方を改めることが求められています。
*1:障害者や戦傷者が対象であって、ただ単に投票に行くのが大変な人は対象になりません。ご注意ください。