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中高生、中高一貫校の生徒、浪人生、大学生、その親などに向けたブログです。学習や受験に関すること、塾や予備校のこと、引越しや一人暮らしのことなどについて書きます。

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【高校日本史】人物や暗記を削減 物語性を強調する方針転換か

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Photo via pixabay

 

坂本龍馬は教科書にいらない

AbemaTVで坂本龍馬が教科書から消えると報道されたことが話題になっています。

abematimes.com


趣旨としては、

  • 受験業界が、歴史的に意義のないことまで覚えさせている
  • 歴史を紐解くというよりも、個々の単語の暗記になっている

ということ。暗記を重視した受験日本史は歴史学の未来に悪影響だと考えたのでしょう。


この記事では私なりに、今回の提案についてまとめました。最後に、日本史の用語を暗記する際のポイントについても述べているので、ご覧ください。

 

 

 

暗記日本史はなぜダメなのか?

学問的な意義の深さ

日本史という幅の広い科目において、学問的に意義の薄い人物や出来事を覚えるのは荷が重いです。

そもそも、歴史とは事実と想像を織り交ぜた物語であり、その物語の脇役にスポットを当てる必要はありません。


例えば、童話『浦島太郎』の登場人物の中で重要なのは、主人公の浦島太郎と太郎が助けた亀、それから竜宮城の乙姫です。

一方で、亀をいじめていた子どもは取るに足りない存在であり、浦島太郎や乙姫の存在を無視してまで彼らを覚える意味はありません。

いわば、重要人物を無視して、歴史上の脇役だけにスポットを当てるのは、間違っているという話です。


もちろん、ドラマなどの主役になり、スター性を帯びた人物もいますが、歴史という大きな物語で見たときには、重要性は薄れます。

時代を動かすのに大きく貢献した人や時代が動くきっかけになった事件・政策などにスポットが当たると思ってもらえればよいでしょう。

 

学問は興味・関心から

一方で、学問に志す人の気持ちを無視することはできません。先生に命令された通りに研究して、先生に言われたことを論文に書くのは、学問ではありません。

(できれば)自分が興味を持ったことを、自分の心の赴くままに調べ、考えることが学問です。


ですから、とっかかりとして、有名な人物や面白いことをした人物を教科書に入れることは、歴史学者を養成する上で必要なことです*1


「たくさん覚えたほうが受験で有利だから血を吐きながら暗記する」というのは、学問の醍醐味からかけ離れた愚かな行為なのです。

 

暗記が不要なわけではない

一方で、暗記は全く必要ないというわけではありません。

事実がなければ歴史学は深められないので、最低限のことは覚えなければなりません。重要な年号などは覚えることになるわけです。


でも、それが超マニアックな用語になることは問題視されています。

例えば、徳川◯◯の部下の××という教科書の隅にも書いていないことを覚えさせる予備校講師もいるようです。

その名前を答えて2点を取って「差」をつけたとしても、誰でもわかる問題を6つ外せば10点「差」をつけられます。

専門家は、脳内書庫を圧迫して、受験生を苦しめるような教え方をしないように言っているわけです。

 

正しい覚え方

最後に、どう覚えればよいかについて。

他の記事にも書きましたが、用語集の中には、出題頻度が書かれているものもあります。

また、教科書の太字になっているかどうかも、重要な基準です。

  1. 教科書を読むこと(物語調になっていますから!)
  2. 教科書の太字の単語を覚えること
  3. 太字になっていないが文章に登場する単語を覚えること
  4. 脚注の単語(太字優先)を覚えること
  5. 用語集や参考書に載っている単語を覚えること
  6. 模試や過去問で出た単語を覚えること

を順にこなしていきましょう。

ただし、教科書には書かれているけれど、受験には出ないというものも、まれにあるようです。用語集で確認してください。


覚えたかどうか確認するのは、薄い問題集が適当かと思います。受験生の方は、この時期ですから過去問で結構です。

 

焦って暴走しないこと!

(一般的には教科書レベルと言われる)センター試験で満点が取れるようになったところで、一旦暗記はおしまい。それ以降は苦行になると思います。


センターまであと2ヶ月ですが、受験生の中には、まだ暗記が足りないと思って、教科書より難しい用語を覚えようとしている人もいるかと思います。

そういう人は、そもそも教科書の用語がきちんとわかっているか、確かめてください*2。難しい用語はそれからです。


Let’s enjoy Japanese History!

*1:脇役に興味を持ってアニメやマンガを見始める人もいますよね? 最終的に、歴史という物語に興味を持ってもらえればよいので、そういう人がいても大丈夫です。

*2:直近の模試の答案を見て、問題ごとに出題頻度を確かめてみましょう。出題頻度が高いのに間違えている問題はありませんか? それはあなたが最優先して覚えるべきものです。

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