インドア派は陰気ではない
友達のよしこさんには病気の弟さんがいます。ある日、よしこさんが家で過ごしていると、お母さんから次のようなことを言われました。
「よしこは元気なんだから外に出なさい!」
たしかに、よしこさんは病気ではありません。
でも、
アウトドア=健康
インドア=病気
だから、病気ではない人は外に出なければならない
というような考え方はあまりに短絡的すぎませんか?
WHOの健康の定義に言及すると広げすぎなので、ここでは言及しません。
でも、インドアは病的なものではないと考えます。
インターネットがある今、人は物理的にひとりでも楽しいです。
最近は、映画や屋内スポーツなどの屋内活動も多様化しています。
それに、体を動かさないからといって静的な行動というわけではありません。
インドア派にもアクティブな人はいるのです。
活発なインドア活動
映画館の発声可能上映・4D映画
映画館の発声可能上映はご存じですか?
映画に合わせて、声を出したり、ペンライトを振ったりしてもよい上映回のことです。
普通は静かにしなければならない映画館で、まるでライブのように盛り上がることができます。
中には、アイドルのキャラクターのためにうちわや法被を自作する人もいるのだとか。
それから、映像に合わせて雨が降ってきたり、匂いがしたりする4D映画というのも人気で、専用の劇場も増えているようです。
普通の映画よりは高いのですが、アミューズメントパークに行くよりかは安いです。
このように、映画は静かに観るものではなくなっています。
もちろん、従来の上映形式も残っているので、そうした場所では静かにしたいですね。
e-Sports
e-Sportsはアクティブなインドア派の代名詞と言えるのではないでしょうか?
e-Sportsは、ビデオゲームの対戦をスポーツ競技として捉えたときの名前です。
実際に、2022年のアジア大会ではeSportsが種目に加わります。立派なスポーツです。
その競技人口の中には、スポンサーをつけてお金をもらっているプロゲーマーもいます。
海外では、大きな会場で大会が開かれる場合もあり、何億ものお金が動くそうです。
人気のあるゲームだと、世界で何千万の人がネットや会場で観戦しているそうで、もはや野球やサッカーのようなリアルスポーツと遜色ありません。
これはプロの、雲の上の話ですが、アマチュアのeスポーツもまた盛んです。
最近では、スマホゲームやカードゲームの大会もたくさん開かれています。
人気パズルゲームやアイドルゲームでもそうした大会が開かれていて、子どもから大人までいろいろな人が参加できます。
今や、ゲームは家の中で静かにするものではなくなっているわけです。
体を動かすゲーム
そうしたゲームの中でもアクティブな部類に入るのが、音楽ゲームや格闘ゲーム。
音楽ゲームは、スマホだけあればプレイできることもあって、多くの人に親しまれています。
リアルな音楽ライブなどもあり、ゲームだけにとどまらないコンテンツです。
格闘ゲームに関しても、Nintendo SwitchのARMSというゲームが話題になりました。これは、実際に体を動かして遊ぶゲームです。
こちらも大会が開かれているようで、格闘ゲームは手だけの運動ではなくなっています。
ここまでくると、e-Sportsと言われても違和感がありませんね。
インドアスポーツ
そもそも、スポーツはアウトドアだけに属するものではありません。
ボルダリングのように室内でするスポーツもありますし、ヨガやマインドフルネスのように、体は動かさないが汗をかく活動もあります。
1人で体を動かしたり、静かに行ったりするスポーツもあることを忘れないでください。
活発にインドア活動する人
さて、上記に挙げた事柄は広義のインドアであって、狭義のインドア派は、体を動かすとか、屋内施設に外出するとかはしないと思います。
たしかに、家で映画を観るときも、読書をするときも、体は動かしません。
でも、心は動いています。
図鑑を見る子どもは陰気か?
あなたは、図鑑や百科事典を読んでいる子どもを陰気だと思いますか?
とてもアクティブですよね?
彼らは、本という世界を冒険しているのです。
マーベルやDCコミックスなどのヒーロー映画を観ている人は陰気ですか?
恋愛映画を観ている人はネガティブですか?
なぜ作品の中の冒険、あるいは作品を見た自己の中の冒険が受動的だと思えるでしょうか?
芸術作品に触れるということは、本当はとてもエキサイティングなことなんです。
登山に参加しなかったあなたのお友達は、高尾山に登るよりもはるかにスリリングな冒険をしているのかもしれません。
家の中でつながることができる時代
その冒険が個人の頭の中、心の中で終わるかといえば、必ずしもそうではありません。
最近は、読書専用のSNSや、映画のネタバレを伏せ字にできる投稿サービスなどもあります。
つまり、本や映画がネット上のコミュニケーションのきっかけになっているというわけです。
そこから、同じ作品が好きな人とネット上で、ひいては実際につながることもありえます。
中には、結婚に至った人もいるのだとか。
いつも引きこもっていると思ったら、いつの間にか結婚していたというアクティブなインドア派もいます。
インドア派は陰気、アウトドア派は陽気という二項対立はインターネットの時代には通用しないのです。
アウトドア派の価値観 押しつけないで
あなたは体を動かしたり、お友達と話したりしないと生きていけないかもしれません。
しかし、世の中にはあなたと違う人もいます。
無理にインドア派に合わせる必要はありません。
でも、あなたの生き方をインドア派に押し付けないでください。