少ない労力で結果を出す
以前の記事で苦手を伸ばす意味はないとは言いましたが、大学受験では全ての科目ができる人が求められています。
それに、センター試験は全科目を満点に近づけることが必要です。
じゃあ、得意なことに使っている時間を削ってまで、苦手な科目に大量の時間を使わなければならないのでしょうか?
それは違います。できるだけ効率的に苦手に対処することが求められているのです。
日本は効率的な工夫よりも非効率的な努力が評価されがちですが、入試は試験(結果)だけで全てが決まります。
より少ない労力で結果を出した方が勝ちです。
効率的に苦手を伸ばそう
ここで、解答や勉強を効率化するための提案をさせていただきたいと思います。
私大文系受験だったので、理科については何も申し上げることができません。すみません。
実験動画・解説動画などは各種動画サイトに上がっていると思いますので、そちらを参照するのもよいと思います。
それ以外の科目は私なりのポイントを紹介します。
現代文と英語長文はディスコースマーカーに注目
現代文は、英語と同様に接続詞・接続表現に注目しましょう。
どこが重要なのか、どこが言い換えなのかは、接続詞が教えてくれるはずです。
石黒圭さんの『文章は接続詞で決まる』は必読書です。
この本には、日本語の接続表現がどういう意味や役割を持っているかが書かれています。
英語のディスコースマーカーは、現代文でも有効です。
文字からやんわりと意味をくみ取るのではなく、機械的に解いてみましょう。
特に選択問題は、直感で解かないでください。
どこからどこまでが傍線部に対応する箇所で、それぞれの選択肢がどの文に対応しているかを確認しましょう。
古文は背景知識とストーリー暗記が大事
古文は古語と文法も大事ですが、文化的な背景知識と有名な作品の情報(ストーリーと登場人物)をたたき込むことも重要です。
背景知識なしで読むことは、相手を知らずに試合に挑むようなものです。
国語便覧などで、楽しく知識を入れましょう。
これがあるだけで、かなり違います。
古語に関しては、いうほど現代語と意味が違うわけではありません。
現代語と意味が変わらない言葉に関しては、対応する現代語の表現を単語帳に書き足したり、二重線で単語を消したりしましょう。
漢文は英語の漢字版
漢文は「英語の漢字版」です。文型が似ていますから、主要な語と構文を覚えましょう。
当たり前のことかもしれませんが、できるだけ短時間で解きたいです。
地歴公民はテレビや動画も利用
地歴公民の覚え方は人によると思います。私の場合は、ストーリーとして覚えることに専念しました。
身近なところでいえば、時事問題を解説するテレビ番組などをみるのもよいでしょう。
池上彰の番組や、NHKの「これでわかった!世界のいま」などがオススメです。
もちろん、教科書や授業も大事です。自分の得意なやり方で覚えましょう。
ちなみに、覚えすぎは失敗のもとです。山川の用語集などを参照して、用語の出題頻度を確認しましょう。
英語の語彙は想像力も働かせて
順番が前後しますが、英語はディスコースマーカーを使って機械的に文章を読むことが大事です。
国語よりも文のカタマリがはっきりしているので、機械的に読みやすいと思います。
最悪、語彙(ごい)が抜けていても、接頭辞・接尾辞や語形から想像することで補うことができます。
でも、文法は想像することが難しいです。有名な構文はしっかり訳せるようにしましょう。
数学は真似っこが大事
数学は暗記科目です。
中高では新しい解法や証明を編み出すのではなく、あくまで先生や教科書のものを真似ることが求められます。
ちなみに、計算であれば、Photomathというスマートフォンアプリが便利です。
このアプリは、計算問題の解答を自動で表示してくれます。
ただし、これだけを使っていても計算が得意になるわけではありません。
問題は自分で解きましょう。
その答え合わせをする際、詳しい解法や解説が解答集に書かれていないときにこのアプリが便利です。
苦手で歩みを止めるのはよくない
苦手を前にして、怖気付いて足を止めるのはよくありません。
苦手と向き合いながら足を止めているその時間を使って、得意を伸ばしていく方が将来のためになります。
苦手を伸ばすのに必要なのは、時間をかけた努力の積み重ねではなくて、時間をかけずに効率的に理解を深めることではないでしょうか?