奇問は覚えるな 外堀を埋めろ
入試でよくある勘違いのひとつに、難問はその答えを覚えなければならないというものがあります。
大学入試センター試験でも、知らない知識や難しい単語が出てきたようで、覚えなければならないと思っている人もいるかもしれません。
それらの問題を覚える必要はありません。
あなたは多分、初めてその問題を見たから焦っているのだと思います。
でも、初めて見たのであれば、それだけ出題頻度が低いということです。
だから、覚える必要はありません。
一方で、そういう難問に遭遇してもそれなりの対策はありますから、このブログに書いていきます。
以下の3つのケースについて考えていきましょう。
別の選択肢にヒントがあるケース
1つの選択肢が難しくても、他の選択肢が明らかに正解・不正解である場合が考えられます。
別の用語を当てはめると正解になる
例えば、未知の用語が選択肢に入っている場合、「難しいから正解っぽい」と思う人もいるかもしれません。
でも、その用語の部分にもっと簡単な別の用語を当てはめれば、正しくなる(変えなければ誤りの)選択肢もあるかもしれません。
歴史でいえば、年号はあっているが事件の名前が間違っているという場合です。
そうした選択肢は誤りになります。
そんなことは言っていない
あるいは英語や現代文であれば、尤(もっと)もらしい選択肢だが、そんなことは文中に一切書かれていないというものも考えられます。
そういう場合は、他の選択肢が確かであることを見抜かなければなりません。
ひとつひとつ文章(または事実)と照合して、選択肢に傷をつけていきましょう。
読解問題を常識で解いてはいけません。
文脈や用語そのものから推測できるケース
該当する単語自体やその前後から、用語の意味を推測することもできます。
考えればなんとなくわかる
例えば、英語だと接頭辞・接尾辞があります。
少なくともポジティブな内容か、ネガティブな内容かまではわかるはずです。
その他の科目でも、これまで得た知識から導き出せないかよく考えましょう。もちろん、時間があったらの話です。
文章から意味をくみ取る
現代文や漢文などでは、その用語の意味をわからせるための文章もあります。
この場合は、文章全体か傍線部の前後を読めば、ヒントが書いてあります。
接続詞や指示代名詞に注目して、該当箇所を探し出しましょう。
他の設問からヒントを得る場合もありますから、その問題にこだわるべきではありません(自戒)。
このように、わからない単語があるからといって、難問とは限らないのです。
(数学でも、未知の公式を使わせる問題があるかもしれません。その場合も同じようなことです。)
そもそも出題されていないケース
未知の用語や概念が登場したにはしたけれど、出題されていないというパターンもあるようです。
つまり、リード文には書かれているが、それを答える問題ではなかったという場合が考えられます。
あなたの知らない用語が出てきた場合でも、それが趣旨であるとは限りません。
既知の内容についてきく問題である可能性もあります。
焦らずに、まずは設問を読みましょう。
最後に:受験の暗記において大切なこと
入試は適性をはかるもの
入試の問題は、その大学に入学するのにふさわしい学力を持っているか、確かめるためのものです。
その中で、定員を満たすように選抜されるわけですが、物知り博士が求められているのではありません。
最低限の知識や読解力を持っていて、文章が書ける人が求められているのです。
枠に収まる暗記を
受験の問題では、
- 問題作成者が学問的な価値を持つと考える事実や用語
- ◯◯大学に入学する上で最低限知っておいてほしいこと
が出題されます。
筆記試験という枠組みがある以上、そこからはみ出す内容を覚えていても、評価されません。
そういう熱意のある人は、一般入試ではなくAO入試に挑戦すべきです。
頻出用語を優先して覚える
その枠内にあると考えられる頻出用語・頻出問題は覚える。それ以外は余裕があれば覚える。
明らかに枠から外れる内容(過去に1-2回出た程度の問題)は覚えない。
出題されるかもわからない問題のために暗記している時間があるのなら、しっかり睡眠をとって体調を整えましょう。
それから、一部を除き、予備校が問題を作っているわけではありません。
予備校講師が覚えろと言っているからといって、必ずしもその用語を覚える必要はないです。
その小問は本当に重要?
配点についてもよく考えましょう。
もし、その問題が10点だったら落としてはいけません。でも、3点だったら、万が一落としてもそこまでの痛手は負わないはずです。
その3点と残りの97点、どちらが大事かよく考えてください。
3点にこだわって97点に泣くことのないようにしましょう。
大切なのは、難しい言葉を覚えようとして、簡単な言葉を忘れないことです。