どのような立場にあっても息を抜く権利はある
快楽に溺れる人による悲惨な事件があったばかりですが、何に快楽を求めればよいのかということを考えてみたいと思います。特に、受験生や就活生という立場になると、趣味にハマって悦に浸ってしまうと、ものすごく罪悪感があります。しかし、苦痛ばかりを感じていては、精神的に耐えられません。気をつけていれば、快楽に溺れてしまうということはありませんから、息を抜いてください。
ということで、この記事では、受験生や就活生が快楽を求める対象について考えていきます。
本
本に快楽を求める人は一定数いるかもしれません。もちろん、ステレオタイプな受験勉強をしている多くの人にとって、本を読むことはほとんどないと思います。しかし、実は、本が必要な人もいます。小論文を入試で使う人や詰め込みではない勉強をしている人はむしろ、本を読むことが多いです。それから、就活生は本を読まないと業界研究ができません。このような期間中は、勉強の本ばかりになるので、それが苦痛になる人もいると思います。でも、ここで求めているのは、勉強ではなく娯楽や息抜きとしての本です。
通信教材をとっている人は、情報誌というわかりやすい息抜きがあるかもしれません。でも、そのほかの人はこれを読めばいいというわかりやすい対象は特にありません。自分が読みたくて勉強にならない本(雑誌など)というのが一番わかりやすい息抜きでしょう。机から離れることが目的なので、勉強や学問に関係なければなんでも構いません。
本と買い物欲
それから、他の記事にも書きましたが、本を買っただけで快楽を得られる人がいます。いくら勉強の本であっても、使わなければ意味がありません。趣味の本に対してはありがたい才能ではありますが、勉強の本にとっては迷惑な煩悩です。勉強の本はその日読む(あるいは解く)ために買ってください。
ゲーム
ゲームは快楽を与えるものの典型例ですが、強すぎる快楽はあなたの目標に対して大きな障害になります。受験生の場合は、継続性・持続性のあるものは避けましょう。やるとしても、パズルゲームなどの頭を使うものにしてください。就活生も、書類の執筆の障害にならない程度にしましょう。
ここで注意です。近日、モンスターを育てて触れ合うという内容のゲームが発売されます。このゲームのシリーズは発売日に買わなければ永遠に手に入らないという代物ではありません。受験生のみなさんは、このゲームの発売を無視して、受験勉強に励んでください。このシリーズは熱中すると何時間でもやり込めますから、「2日で終わらせるから平気」と思ってかかると危険です。
アニメ
アニメを心の支えにする人は多いと思いますが、受験期・就職活動の時期においては、観る数を制限すべきです。通常のアニメは1本観るのに30分かかりますし、動画で観るにしても、ロードにより一層の時間がかかります。漫画の場合は、連続で見る可能性がありますから、『あさきゆめみし』や『日本の歴史』などの勉強になるもの以外はオススメしません。
それから、最近はTwitterでアニメを実況をする人もいるかもしれませんが、リアルタイムで観ようとは思わないでください。受験生の場合、午後6時に始まるアニメ、あるいは深夜帯に始まるアニメは、あなた方の受験勉強や睡眠を妨げます。就活生の場合も、「アニメを観たせいでエントリーシートを書き損ねた」とか、「アニメをリアタイしたかったから、この時間帯の説明会・面接がとれなかった」ということになりかねません。あなた方にとって、アニメ(実況)は毎日の習慣にすべきではないのです。
何を観ればよいのか
ちなみに、夢を追い求める人にオススメのジャンルは、アイドルものです。アイドルアニメは自分を鼓舞するとか、自分の軸を見つけるという内容のものが多いです。前述の通り、観すぎは良くないので、どれか一本に絞って観るようにしてください。それから、受験生・就活生ともに、散財してコンテンツを楽しむという立場にはないと思います。あくまでアニメから元気や勇気をもらう程度がいいと思います*1。
ドラマ
テレビドラマに関してもアニメと同様です。数を絞ることと、リアルタイムで観たいと思わないことを心がけてください。テレビドラマの場合は、中高生が好むのは1時間のものだと思うので、アニメ以上に時間を消費します。気をつけましょう。
映画
さらに時間を使うのが、映画です。洋画なら2時間以上かかるなんて普通のことです。もちろん、費用の面でも問題があります。高校生の場合、映画は900円程度、大学生なら1500円程度だったと思います。現役の受験生なら3回観れば参考書が買えますし、就活生なら1回観るだけで受検会場までの往復の交通費に匹敵する人もいるかもしれません。禁欲主義を唱えるつもりはありませんが、もっとお金を使うべきものがあるということを意識してください。
ファッション
もちろん、服にもお金はかかります。靴下やタイツなどの消耗品はいくらでも買ってよいと思いますが、それ以外は散財にならない程度にしてください。就活生の場合、必須アイテムを揃えるのにお金がかかりますし、私服よりもスーツで過ごすことが多くなります。私服にお金をかけないようにしましょう。
(ちなみに、大学入試では、特に指定がない限り、制服で受験する必要はありません。自分がリラックスできる私服*2というのも必要ですから、外に着ていけるものぐらいは用意してください。)
SNSやインターネット
他の受験生・就活生や社会の動向が気になって、SNSを確認する人はいると思います。でも、SNSを見るのに時間を費やすのは間違いです。SNSには嘘だって書き込めます。いくつ内定をとったとか、◯◯大がA判定だったとかいう話はいくらでも捏造できるのです。どうせSNSに入り浸って(嘘でなくとも)こういうことを書いている人は、本来合格したであろう大学・会社に落ちます。どこかの教育学者の話ではありませんが、SNSを利用する時間は限定してください。(特に寝る前にハマりだすと危険です。)
もうひとつ怖いのは、陰謀論やゴシップ、あるいは悲観的な考えが書かれているということです。「◯◯大学には××という風習がある」とか、「△△予備校の□□講師は☆☆だ」のような記事や噂は信じないようにしてください。私が在籍していたICUもニュースサイトなどにボロクソ書かれていました。8割はウソか、話が盛られています。ああいった記事は商売のために面白おかしく書いているだけなので、鵜呑みにしてはいけません。そして、SNSでシェアしないでください。
でも、受験勉強や就活の合間にネットを見ることはよい息抜きになると思います。それに、受験勉強とは関係ないところでリラックスしながら話すことは大切です。ただし、よかれと思って発した言葉が他の人へのプレッシャーになることもあるので、そこだけは注意しましょう。
食べ物・お菓子
食べ物やお菓子は、食べ過ぎに注意しましょう。受験・就活期は、普段と比べて運動をしなくなります。部活も引退しているでしょうから、食習慣を変えなければならないはずです。どうしてもジャンクフードに頼ったり、夕食の時間が夜遅くになってしまったりするかもしれませんが、食事の量には気をつけましょう。お菓子も同様です。
頑張った自分へのご褒美の罠
頑張った自分へのご褒美としてお菓子を買ってしまう人もいると思います。しかし、明確な基準がある頑張り以外には、ご褒美を与えてはいけません。「今日も一日頑張ったなあ」という、基準や根拠のない頑張りは、どの程度の頑張りであっても「頑張り」になります。極端な話、その「頑張り」のあなたへの貢献度が0であったとしても、あなたが「頑張ったなあ」と思えば、ご褒美がもらえてしまうのです。これでは、いつでもご褒美がもらえることになります。
社会科学系の小論文を書くために勉強している方は、インセンティブという言葉をご存じでしょう。法律を守らせるためや、効率をあげるために、補助金やご褒美をあげるというシステム、また、そのモノのことです。今回の場合、せっかくお菓子というインセンティブがあるのに、いつでももらえてしまうという欠陥があるために、意欲の向上に繋がりません。これでは、ただただ太っていくだけです。
そういう風にならないためにも、ご褒美を与えるのは、模試の結果が返ってきたとき(あるいは1次面接通過の連絡)など、明確な基準があるときにしましょう。判定が上がったら、あるいは、入社試験で試験(1次面接、2次面接など)に通過するたびにご褒美を豪華にしてもよいです。ただし、それが日常茶飯事になっていくと、食べすぎ・買いすぎになってしまいます。ご褒美の基準も同時に上げていった方がよいです。
人間関係
部活や対人関係は、あなたの夢のために必要な範囲にしてください。こう言われると基準が厳しいかもしれません。ですが、例えば、友達と遊ぶために模試をすっぽかすとか、恋愛のせいで勉強に力が入らないということは褒められたことではありません。友達と遊ぶために模試を頑張るとか、恋人がいるおかげで受験勉強を頑張れるというのならよいことですが、それが障害になってしまっては元も子もないのです。
就活期も同様です。部活にたまに顔を出すというのはよいことですが、それが頻繁になってしまうと、就活に影響を及ぼします。これから学園祭があるのにまだ内定が出ていないという人も、もしかしたらいるかもしれません。その人は、悪いことは言いませんから、最後の学園祭への貢献を諦めてください。申し訳ない気持ち、最後の学園祭に出たいという気持ちはわかりますが、これからの人生に必要なのはおそらく就活です。趣味にせよ、人付き合いにせよ、バランスは重視してください。
2種類の快楽
息抜きとしての快楽
受験生・就活生が求める快楽には、大きく分けて2つの効果があると思います。まず、快楽は息抜きや気分転換になります。たしかに受験生の本分は勉強ですし、就活生の本分は就職活動です。しかし、それによって陰鬱な気持ち、あるいはうつ状態になってしまっては困ります。だから、勉強から離れて、気持ちを明るく切り替えることも大切です。息抜きに時間をかけすぎると、今度は勉強や就職活動ができなくなりますから、気を付けてください。
インセンティブとしての快楽
次に、受験勉強や就職活動の後押しになるような快楽があります。こうした快楽は、快楽の程度が重要です。快楽が強すぎると、快楽に溺れて受験勉強や就活に身が入らなくなったり、成績が落ちるなどの逆効果になったりします。ある人が快楽だと思っているものがある人には苦痛になったりもするので、一概に何がよいとは言えません。ですが、自分がやる気を出すためのスイッチを見つけて、うまく活用してあげてください。誰も背中を押してくれない世界よりかは、幾分マシになりますから。
まとめ
息抜きとしての快楽は、気持ちを切り替えるために重要です。趣味の本や、ゲーム、アニメなどを利用して、勉強から一旦、目を逸らしましょう。ただし、やりすぎると、勉強ができなくなってしまいますから、時間を決めてほどほどにしてください。
インセンティブとしての快楽は、受験勉強や就職活動の支えになります。スイーツや友達付き合いはあなたの頑張りを支えてくれるでしょう。ただし、何事も程度が重要です。失恋して勉強や就活に身が入らなくなったり、あるいは自分の嫌いなこと、やる気につながらないことを無理してやり続けたりしたら、意味がありません。自分を勇気付けてくれること、元気付けてくれることを続けるのが鍵です。