ノートを「勉強垢」でシェアする中高生がいる
「他のみんなはどんな勉強をしているんだろう?」
その答えを知るには友達に直接聞くか、メディアに載っている先輩の体験談を参考にするしかない。
そう思っていませんか?
実は、中高生の中にはSNS上でノートや勉強の様子を公開する人がいるようです。
以前もノート専用のSNSを紹介しましたが、TwitterやInstagramなどの一般的なソーシャルメディアでも投稿が行われています。
noregretschool7974.hatenablog.com
ノート投稿アプリ「Clear」のユーザーのおよそ7割が、勉強にSNSを活用しているそうです。
遊びじゃなくて勉強です
「遊びを勉強と言うな」と言う人もいるかもしれませんが、これは遊びではありません。
スマホやインターネットを遊びと結びつけているのは、ネットとの関係が薄い上の世代です。
私たち下の世代は実用的な使い方もする。
それだけのことです。
インスタ映えする文具
インスタ映えを意識した文具も登場しています。
キラキラしてSNS映えすることをウリにした文具がいくつか出ているようです。
一方、シンプルなデザインの文具をインスタ映えするようにアレンジするのも流行っているとのこと。
無印良品のペンケースのデコレーションがネットメディアで紹介されていました。
そうしたグッズの助けもあり、SNSにおける「勉強なう」の投稿は今後、盛り上がっていくでしょう。
ちなみに私のオススメは100円ショップに売っている小さめの正方形のふせんです。
安いので、買って損はないと思います。
ノート公開の注意点
ただし、ノートの投稿はよいことばかりではありません。
使い方によっては、勉強に逆効果だったり、あなたを苦しめたりします。
学校に提出するものは載せない
インターネットには、上司にお菓子をごちそうになったことをSNSに書いたらアカウントがバレたという有名な話があります。
先生もSNSを見ている可能性があるので、ノートを通じてあなたのアカウントも特定されるかもしれません。
SNSに載せるなら、塾や受験用のノートなど学校に提出しないものにすべきです。
目的はノートを書くことではない
ノートテイキングは書くことが目的ではありません。
先日話題になったイラスト付きの倫理のノート*1も、覚えるという目的のために作られたものです。
きれいにノートを書けたとしても、授業や勉強の内容が頭に入っていなければ、本末転倒と言わざるを得ません。
上で挙げたノート投稿アプリの調査では、勉強にSNSを活用することでモチベーションを上げたいという人が約半数いました。
でも、モチベーションだけ上がって成績は上がらなかったら損だと思いませんか?
使用する文房具に関しても、「インスタ映えするけど使いづらい」というものを選ばないようにしましょう。
「フォトジェニックだけどまずい」料理が問題になっているようですが、そうした文具も同様によくありません。
美しさと機能が両立したノートが理想です。
中高生のSNS疲れが社会問題に
SNSはいつも楽しいことばかりではありません。
無理に自分をとりつくろったり、悪口を見たりして、気分を悪くする人も多いのです。
一方で、SNS上の投稿は、口頭の悪口と違ってログを残すことができ、アカウントの停止や法的な手続きも採りやすいです。
ネット上には政府の相談窓口もありますから、ひどい場合はそちらで対応してもらえます。
まずは、反応しないで報告・ブロックすることをおすすめします。
参考
ノートを参考にする際の注意点
過去のノートを参考に
合格できるノートを作りたいなら、今ではなく去年やおととしのノートを参考にしましょう。
ノートを受験の参考にしたい人は、きれいかどうか、インスタ映えするかを基準にまねをしてはいけません。
そのノートの主は難関大学に合格しましたか?
情報通信大手GMO系列の会社の調査によると、勉強の様子をSNSに投稿したことがある10代女子は全体の3割未満。
その中で、SNSに投稿したおかげで志望校に合格できたという人は8%程度です。
受験生が1000人いたら、SNSに投稿して志望校に合格した人はわずか24人しかいません*2。
その2.4%の側に入るには、2.4%の中の人を探す必要があります。
SNS上で去年以前のノートを見つけたら、2-4月の投稿を追って、合格の報告がないか確かめましょう。
丸写しはカンニングと紙一重
皆さんは授業でレポートを書いたことがあるでしょうか?
レポートで一番やってはいけないのは、他人のレポートや文献の内容をコピーすることです。
ノートでも同じことが言えます。
同じ学校・同じ学年のお友達のノートを丸写しにしたら、あなたの成績は0点になるかもしれません。
もちろん、写された側も疑われますから、学校用のノートはSNSに載せないのが賢明です。
丸写しは「剽窃(ひょうせつ)」という学問上で最大のルール違反ですので、これから先も絶対にしないでください。
相手はプロじゃない
SNS学習で一番気をつけたいのは、教えてくれる人がプロの先生ではないこと。
歴史のノートなどでおもしろエピソードがあっても、簡単に信じてはいけません。
自分のノートに書く前に検索しましょう。
同様に、投稿者が載せている数学や理科の途中式、英語や古文の文法はあっているかわかりません。
同じ中高生や受験生に聞くよりも、先生に聞いたほうが確実です。
皆さんは勉強のプロではありませんから、間違えることもあります。
SNSに載っていることが絶対に正しいとは限らないので、自分で調べるくせもつけたいですね。
差をつけたいなら勉強
ここまで、勉強垢の注意点について書いてきましたが、ひとつ大事なことを忘れていました。
別に、SNSを見たからといって合格するわけではないということ。
勉強しなければ合格するはずがありません。
合格の報告が一番インスタ映えしますから、それまではしっかり勉強しましょう。
ちなみに、私は合格報告をFacebookに載せたあと、「学校に報告してからにしろ」と先生に怒られました。
*1:ニーチェもカントもイケメンに 倫理のノートに自分でさし絵を描き込む受験勉強法が楽しそう - ねとらぼ
*2:単純計算なので、実際はもっと少ないかもしれません。また、このアンケートには男子が含まれていません。