破損を想定しない人々 生まれる費用
交通事故の加害者が自賠責保険に入っていなくて、泣き寝入りするしかなかったという話をよく聞きます*1。
「私は絶対に事故を起こさないのに、保険料がもったいないから」という言い訳をする人もいるかもしれません。
そういう人の中には、そもそも保険料を支払えるだけの余裕がなくて、慰謝料や修理代、高額の治療費も負担できないという人もいます。
保険料の支払い能力がないということは、マイカーを持てるだけの経済力がなかったと言っても過言ではありません。
モノを持つにはお金がかかる
車に限らず、モノを持つために必要な費用は、値札に書かれた値段より高いものです。
皆さんは本来想定するべき「モノは壊れる」という自然のことわりから目を背けていないでしょうか?
「絶対に壊さない」「絶対にミスをしない」という過剰な自信を持って、本来するべき備えをしていないということはないでしょうか?
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壊れない前提は危険
「壊さないように心がければよい」というのは、浅はかな考えです。
レストランの店員を思い浮かべてください。
レストランの店員は「よし、壊そう」と思って皿を割っているのではありません。
一瞬の気の緩みで無意識に皿を割ってしまうのです。
壊さないように慎重に扱うことは悪くありませんが、壊れない前提で代わりの皿やそれを買うお金を用意しないのは愚かです。
代用品を探しましょう
壊れたら替えがきかないものは身の回りにないでしょうか?
「自転車が壊れたら学校に通えない」
「パソコンが故障したら仕事が続けられない」
それはとても怖いことです。
ビルとビルの間を綱渡りしているようなものです。
しかし、世の中には本当は安い値段で代替できるというものもあります。
シェアサイクルや月額制モバイルPCなどがそれに当たります。
もしあなたが危ない綱渡りをしているのであれば、そうした代わりのものがあることを確認するべきです。
正しい使い方を学びましょう
間違った使い方をしているために、モノの寿命を縮めている人もいます。
手入れの仕方、正しい持ち方などはインターネットで調べることが可能です。
家電製品やテフロン加工のフライパンは、正しい使い方をすれば長持ちします*2。
ぜひ正しい使い方を調べてから使ってください。
心がけるだけではいけません。
壊れても替えがきくようにしましょう。
心がけではなく、正しい使い方が重要です。
高いものは壊れない説は半分間違い
安いものを買うから壊れるのであって、高いものであれば壊れにくいという意見はもっともです。
しかし、それはすべてのものに当てはまることではありません—高いお皿は割れます。
それに、どんなものでも壊れるときは壊れます。
高いものが1つ壊れると、安いものをたくさん買うよりもお金がかかるかもしれません。
壊れても新しいものを買い直せない高級品は、買わないのが得策です。
DIYで簡単な修理も
とはいえ、家具などは直して使い続けることが可能です。
戸棚の剥げてしまった塗装をシールでカモフラージュするというのはよく聞きますよね?
閉まらなくなった戸棚や引き出しも、赤ちゃん用のいたずら防止グッズで閉めることができます。
最近は、鍋のふたの取っ手のようなピンポイントな部品も100円ショップで手に入ります。
一部のパーツがおかしくなっただけで買い換えるのは、もったいないです。
ぜひ自分で修理してみてください。
中古品の譲渡サイトも
中古品を買ったり譲ってもらったりするという手もあります。
SNSを通じて、大学の友人に家具や自転車を譲るという人もいるようです。
それから、実家に帰るなどで古い家具がいらなくなった人が、無償で品物を譲渡するサイトもあります。
無料ではありますが、知らない人と接触するので注意しましょう。
また、粗悪品をつかまされる可能性も考えてください。
高いものは壊れたときに買い直せる範囲で買うのが原則。
修理したり中古品を譲ってもらったりすることで、買い直す費用を抑えられます。
捨てるのにもお金がかかる
いらなくなったモノを処理するときに考えたいのが、廃棄に必要なコストです。
卑近な例を出すとすれば、燃えるゴミ・プラスチックゴミなどに有料のゴミ袋を用意している自治体があります。
それ以外にも、粗大ゴミの回収に1000円程度のチケットが必要だったりします。
私たちはタダでモノを捨てているのではないということを忘れないでください。
余計な費用を払いたくなければ、フリマアプリなり、前述のコミュニティサイトなりを使いましょう。
廃棄物を処理するのに使われているのは、私たちの税金です。
*1:自賠責保険に加入しないのは違法です。1年以下の懲役または50万円以下の罰金、免許停止処分が科されます。 自賠責保険(共済)に加入していないとどうなる?
*2:余談ですが、映像系のサークルでマイクが壊れたので新しく買おうとしたら、店員さんに「普通は壊したりしません」と怒られたそうです。その道のプロからすれば、「機材や道具が壊れたら新しく買えばよい」というのはよくない考え方なのかもしれません。正しい使い方で大切に使いましょう。